「一乗寺」を全国に
大河ドラマ「武蔵」で地元熱く
江戸初期の剣豪・宮本武蔵が「一乗寺下り松の決闘」に臨んだ−と、吉川英治の小説で取り上げられた京都市左京区一乗寺で今秋、武蔵の銅像建立や写真展などが計画されている。来年のNHK大河ドラマ「武蔵」の放映を前に、武蔵の人生の転機となったとされる一乗寺の地の「全国発信」を目指して、地元の八大神社の氏子や商店主たちが準備を進めている。
武蔵の詳しい生い立ちは不明だが、吉川英治は小説「宮本武蔵」の中で一六〇四(慶長九)年、武蔵が二十一歳の時、京都の武道の名門・吉岡一門と八大神社の「下り松」の下で「一乗寺下り松の決闘」を繰り広げたと記している。この決闘は、武蔵が生涯で最も悪戦苦闘したとされ、一人で百人ほどを相手にし、二刀流で勝ち抜いたとされる。
銅像建立は、来年の大河ドラマで武蔵が主人公になることや、二〇〇四年が決闘から満四百年になるのを前に、今年六月に地元住民が建立委員会=委員長・竹内紀雄八大神社宮司(62)=を設立。寄付を募って、製作を大津市の彫刻家柴田篤男さん(58)に依頼した。
銅像は高さ一・五メートルあり、二刀流で決闘に臨む武蔵を力強く表現する。境内に残る「下り松」の古株の横に設置し、二十七日に除幕する。
このほか、除幕に合わせて萬屋錦之介主演の映画「一乗寺下り松の決闘」の名場面写真展を神社境内で開催、来年以降も一乗寺の観光マップ作りや武蔵にちなんだのぼりの設置などを進め、観光客の増加や地域の活性化を図る。また、武蔵にちなんだ商品の販売を計画する酒店や和菓子店なども出てきている。
竹内宮司は「吉川英治さんの小説では、武蔵は一乗寺で『我れ神仏を尊んで神仏を恃(たの)まず』という信念を悟ったとされ、人生の転機となった大切な場所。銅像の建立などを契機に、地域が一丸となって、武蔵にちなんだまちづくりを進めていければ」と張り切っている。
写真=宮本武蔵の銅像建立などを計画する八大神社の竹内宮司(左端)や地元の人たち(京都市左京区一乗寺・八大神社)


