平成14年12月29日 京都新聞

記事021229京都新聞 2002(平成14年)12月29日掲載記事 転載

江戸期古地図を布地に転写
左京・八大神社が公開


京都市左京区一乗寺の氏神・八大神社は、江戸期に作られた一乗寺の古地図3点をスクリーン状の布地に転写し、常時公開を始めた。2002年夏の調査で見つかった一乗寺と比叡山延暦寺の境界争いの調停内容を記した地図もあり、氏子たちは「学校などにも貸し出すので、地域を知る教材に使ってほしい」としている。

古地図をそのまま公開すると、破損する恐れもあるため、破れにくい防炎加工の布地に、古地図をほぼ原寸大で転写した。制作費は約20万円。

地元有志が2002年夏の調査で見つけた古地図は1670(寛文10)年の制作で、一乗寺と修学院の両村が申し立てた延暦寺との山林境界争いについて、奉行所が調停した境界線を記している。転写品は縦100センチ、横150センチ。

このほか江戸中期の一乗寺の田畑や宅地、道、川などを明記した約1メートル四方の古地図2点をプリントした。普段は同神社内で展示している。

氏子の西村正久さん(68)は「今は宅地が増えたが、古地図を見ると、まちの大半が田畑や山だったことが分かる。破れにくいので、子どもの地域学習などに役立ててもらえれば」と話している。

写真=スクリーン状の布地に転写された一乗寺の古地図 (京都市左京区・八大神社)